ザブトン海峡・航海記

読書の時間

2014年9月8日

本を読むのが好きで、移動中や自宅で時間があるときに、本は手放せない。
最近は送っていただく本も多く、片っぱしから読んではいるが、追い付かない状態で、仕事場の隅で並んでいる本が、僕を待っている。
以前送っていただいて、ようやく読んだのが角川文庫、本郷和人著「武士とはなにか」だ。
「中世の王権を読み解く」 という副題のこの本は、学生の頃の授業で受けた、ザックリした日本史の隙間を埋めてくれる。
以前より、中学、高校で学んだ教科書の年表に書かれた、縦線1本で垂直に引かれてた、例えば「鎌倉幕府の成立」とか「刀狩り」とかの書き方には違和感があった。
そんなに簡単に、日本全土を、ハーイ今年から全国は鎌倉時代に入りました〜。などと統治出来るわけないし、刀狩りやって本当に家にある刀を全て差し出すなんてありえない話で、実際に多くの庶民は武器を保有している。
武士とはなにか」では武士はいかにして王権を獲得していったか。という視点から中世史を紹介してくれる。
文庫とは思えない専門的な書き方の部分も多く。僕も勉強不足なので、理解出来ていない箇所もあるが、このあとも読み返して、自分なりに中世史を考えてみたいと思っている。
そして、本文もさることながら「文庫版、あとがき」が、ぼくのツボだった。
限りある資料の中から歴史を読みとくのは、簡単な作業では無い。諸説生まれ、互いに牽制し合う。
道なき道を行く人は孤独で崇高だ…
〓春風亭昇太〓