ザブトン海峡・航海記

知覧城不思議な虎口_1

2017年2月11日

 素晴らしい知覧城の遺構を見ながら本丸と蔵之城(城とありますが、本丸隣の曲輪です)に上がる虎口の先に不思議な2本の登城ルートがありました。

虎口を通ってから二手に分かれて、本丸と蔵之城の手前に出るのですが、何故二手に分かれているのでしょう。同行してくれた学芸員の方に聞いても「不思議なんです」との事。今まで見た事もない、面白い形です。

 なぜ虎口に入ってから、二手に分かれるコースがあるのか、考えてみました。(写メ、この先に二手に別れるルートがあります)

 最初に考えたのが防衛上の理由で、二手に分かれる事によって敵兵を二分して、兵力を分散させるというものなのですが、城内に入るもう少し手前ならわかるのですが、本丸の手前という事で、ここまで侵入を許した状態で二手に分かれるようにしむけると、味方の手勢も少ない中で、自らの兵力も二分させるのは適策ではないでしょう。

 次に考えたのが、このルートが本丸と、蔵之城の2つの曲輪に向かう為の専用のルートだという事。しかし、こうする為には本丸と蔵之城が、土塁や堀や塀で仕切られている、別の区画になっていないといけませんが、その様子はなさそうです。

 もう一つは、二手に分かれたルートが造られた時代が違うというもの。初期段階でクランクしながらも直進するコースのルートが造られ、後に、このルートが使い辛いので、左に曲がって進む楽なコースが造られたという考え。

 たぶんこれが一番有力だと思いますが…

 知覧の旅の中で考えた、もう一つの可能性について書きます。が、それは次回に

 つづく ♪

〓春風亭昇太〓