ザブトン海峡・航海記

療養日記 7日目と8日目

2022年1月29日

7日目 10時起床 体温36:3わ
増田龍治監督「ポピーザパフォーマー」
昔キッズステーションで放送していたCGアニメ。  子供には過激な内容で、今なら企画の段階でボツだろうか?とにかく奇想天外で破茶滅茶。主人公の「ポピー」と仲間?の「ケダモノ」が織り成す不思議で不条理な世界が展開する。  CGアニメでなければ描けない世界…このCGでなければ、とか落語でなければ…ということが大事!だから好きなのだ。凄く面白かった!また見ようっと!
戸川幸夫「高安犬物語」  戸川幸夫さんは動物関係の小説を好んで書いた動物作家で、その取材や研究の中で「イリオモテヤマネコ」を発見に寄与した人でもある。高安犬物語もずいぶん昔に書かれた本で、資料を見たら昭和29年とある。  僕がこの小説をを読んだのも確か小学生高学年の頃だ。本なんか全然読まない子供だったが何故かこの本は読んでいて、感想文でも褒められた思い出がある。 数年前に文庫本で出ていたのを買った時以来久しぶりに読んでみた。短編小説なんであっという間に完読。  子供の頃を思い出しました。
8日目
朝10:30起床 体温36・4
あまりテレビは見なかったんだけど、たまたまワイドショーを見たら、テレビで活躍しているタレントさんたちが続々とコロナ感染しているようだ。皆さん大変だなあ〜
ギルバートブレイクを観る。これもずいぶん前の映画だ。ジョニーデップ、レオナルドデュカプリオ。凄い共演ですね〜。 良い映画でした。アメリカの小さな街の閉塞感の中での兄弟の結びつき。  デュカプリオが良い仕事してます。観てよかった!
山松ゆうきち「山松very best Early years」
大好きな漫画家、山松ゆうきちさんの作品集。 山松さんの漫画にはダメな人ばかり出てきてダメな結果に終わる。ペーソスって言葉のでは説明しきれない弱強い登場人物がそこに居る。 読み終わっあとに、ほのかな希望を僕は感じる…うまく説明出来ないが僕は好きだ。
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春風亭昇太

療養日記の5日目6日目

2022年1月29日

5日目 朝9時起床 だいぶ身体も楽になった。体温は36・4
気持ちもだんだん落ち着いてきた。
この病気は仕事を休まなければいけない事や、周りの人の事を考えて気持ちが落ち込む嫌な病だ。
映画飽きたので「みちのくプロレス ノスタルジック2008〜2012」 二つ目から真打なった頃、よく観に行っていたのが「ユニバーサルプロレス」その流れで「みちのくプロレス」をよく見ていた。 みちのくプロレスは山形まで遠征して観た思い出もある。懐かしいなぁ〜
あの頃って仕事も順調に増え出し、かと言って無茶苦茶忙しいわけでもなく好きな事が沢山出来た、振り返ると今までで1番楽しかったかなあ〜。
夜になりまた元気が出たので映画を観る
ウッディアレン監督 「カメレオンマン」 ウッディアレン作品の中で1番好きな映画だ。 主人公のゼリグは周りの人に好かれたい。同調したい。と思うあまり周りの人と同じような人物に変身してしまう。そのゼリグと、献身的に支える精神科医のフレッチャー博士との愛のドキュメンタリー風映画。
劇場で見た時は日本語吹替何ついていたが、それがすごく良かった。 今持っているDVDは字幕だけど、また吹替版出ないかなあ〜。
6日目 10:30起床 体温36・5  相変わらず体温は平熱。昨晩少し咳が出たが起きてからは異常なし。
 松本貴子監督「掘る女」 公開前だがDVDを送ってもらったので鑑賞〜♬
 縄文時代の発掘調査をする学芸員さんや、学生さん。発掘アルバイトの女性たちのドキュメンタリー映画。
 炎天下で地面を、汗だく泥まみれになって掘っていく女性達。多分興味のない人から見たら、なんて事ない遺物を掘ったり、ハケで履いたりしながら一喜一憂する人達。大変そうなんだけど幸せそうだ…
好きな事をするとはこういう事だ。
 僕も高校生の頃、静岡の焼津にある城跡の発掘のお手伝いに行った事がある。僕は土を運んでいるだけだったが、斜面の土を削ると直径20センチ程の柱の跡が出てきて、それを覗くだけでも楽しかったなぁ〜。
 ちなみに松本貴子監督は僕が大学生の頃からの知り合いで、僕が落語研究部。彼女は映画研究部でよく飲んだりしていた仲だ。  以前僕も製作に協力して、28年度文化庁映画賞等いろいろな賞を受賞した「氷の花火」の監督でもある。
早めに寝る。
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春風亭昇太

療養日記 3日目4日目

2022年1月28日

3日目 7時頃起床 体温36.6
昨夜は喉の痛みと痰がなかなか切れず苦しかった。 軽症とはいえコロナに感染していることを実感した。
相変わらず、色々な方から心配のメールをいただいた。皆んな優しいなあ〜
小遊三師匠、小林幸子さん、小朝師匠からメール。鶴瓶師匠から電話をいただき、ありがたいやら、申し訳ないやら。先輩も優しい人ばかり。
医療機関から連絡があり体温や状態などを伝える。こちらもありがたい!
相変わらず喉が痛い!そんな時に家に電話があって出たら 「こんにちは〜。お宅に使わなくなったバイクや電化製品ありませんか」 ありません。と答えると、次々と「本や、テレビはありませんか〜」無いと言うと「古い家具や、聞かなくなったレコードありませんか〜〜」 春風亭昇太のレコード道楽やってる人間になんて事言うんだ!と思いつつ電話を切る。  腹立つ!身体に余裕がないと心にも余裕がなくなるんだなあ〜。
そういえば師匠の春風亭柳昇が言っていた 「お酒飲んで、楽しくない人は病院に行ったほうがいいねぇ〜」
 楽しい思いをする為にあるようなお酒を飲んで楽しく無かったら、どこかおかしい…確かにそうだ。
映画はタランティーノ監督 レザボア.ドッグス
またタランティーノ監督。いかにもタランティーノ作品だ。 昔はこの映画の暴力シーンなんてことなかったのに、今回はダメだったハートが弱くなってるのかな?♫
フレッド.M ウィルコックス監督 「禁断の惑星」 懐かしのSF映画に登場するロボット「ロビー」の形状が素晴らしい。  欲しくなってメルカリをのぞいたら、やっぱりロビー君は高いなぁ〜みんな好きなのね♫

4日目 10:30起床 何日かぶりにちゃんと寝た気がする。 体温36・6度 
 勉強部屋は敷いた布団の回りが荷物だらけで鬱陶しいので片付ける事にする。 送っていただいた本が多い。ほとんど歴史の本だ。  使ってなかったカラーボックスに本や資料を入れ、雑誌を捨てて少しは部屋らしくなりました。
 禁断の惑星のことを書いて、間違えてないかなと調べてたら飛行船艦長の名前が「レスリー.ニールセン」とある!え!レスリーニールセン!  思わず、もう一度映画を見直すと「あ!レスリーニールセンの若い頃だ!」映画詳しい人は、今更と思うかも知れないけれど、僕は今回初めて気が付きました。  「裸のガンを持つ男」のレスリーニールセンが出ていたのか。  に何ひとつ悪びれることなく無表情でトラブルを起こしながらも事件を解決?するあのキャラが大好きで新シリーズが出る度に必ず劇場に見に行ったなあ〜  って言うかビデオとかCDの時代じゃなかったから映画は劇場で観るしかなかったんだよね。良い時代でした。
志の輔さんから電話をもらう。昨日の「バイクや電化製品…」の後だったら出なかったなぁ〜。タイミングgood♬
でその後、 細田守監督「バケモノの子」
録画してあったけど、アニメは普段あまり見ないし、どうかなあ〜なんて思ったけど、簡単に引き込まれて、あっという間に見てしまった。  「純」って良いなあ。
テレビも見てるんだけど、なんだか最近は可愛い動物が出て来る番組が多い。 日本人全体が癒されたいんだな〜
レスリーニールセンにも癒されます。
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春風亭昇太

療養日記 1日目と2日目

2022年1月28日

 自宅療養療養を終えました。思い返すとあっという間だった気がしますが、何したたのか日記風に書いておいたので、順番にのせますね。

1日目
 こんな事が自分の身に降りかかるなんて信じられないが、残念ながら現実で僕はコロナに感染した。
 凄いショックで気持ちも落ち込み、ぼんやりしていたが、まずは布団を寝室から一階の勉強部屋に移した。1人になるためだ。
 部屋には本がたくさん有るし、小型のテレビもビデオデッキと共にセットして映画を見まくる事にした。  
クェンティンタランティーノ監督の 「ジャッキーブラウン」 塚本昌也監督 「野火」 ピーター・ボグダノビッチ監督 「ペーパームーン」 の3本立て〜
最初から3本見ようと思った訳では無い、心配で寝られなかったのだ。 気がついたら朝の5時頃になっていた。 寝なきゃ、と思っても寝られない。
2日目
朝の8時頃 に起床。
その後、連絡が入り陽性が確定した。
覚悟はしていたが、やはりショックだ。この日は映画どころではなかった。 落語芸術協会や事務所に発表の準備をしてもらうと同時にブログにコメントの準備。
ご迷惑をかけてしまった仕事先にお詫びのメール。
帰ってくるのは逆に温かい励ましの返信ばかりで感謝しかない…
ブログを更新すると、あっという間にネットニュースにのっていた。いろいろな方からメールをいただく。
 凄い数だったので定形の文書を作っておいたものを貼りつけて、少しだけ変えて返信する…すみません。
午後から夜にかけて、ずっとこんな事やっていたが、夜落ち着いてきたので
ピーター.ウィアー監督 「トゥルーマンショー」 を見る。 以前録画していたものを順番に見ているだけなんだけど、部屋に1人で閉じ込められている僕がトゥルーマンを見てると変にリンクしていて、以前見た時よりもグッときた。
時々愛犬の「小まめ」が遊びに来てくれる。 ありがたい…
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春風亭昇太

ご心配をおかけしました。

2022年1月28日

 ご心配をおかけしました。おかげさまで自宅療養を終えました。
 部屋にこもって映画ばかり見ていましたが、それも昨夜で終了です。今朝から隠遁生活していた部屋を片付け、掃除機かけています。
 そして10日間の間髭を剃らないようにしていたので西部劇に出てくる悪いメキシカンみたいになったので、剃ろうと思ってますが、これはこれでもう少し伸ばしたい気もしてます♪
 コロナはどこでどう感染したのか分かりません。  多分ウイルスはあちこちにあって、年末年始の仕事で体力が落ち、免疫力が減少していたのが原因で感染してしまったんだと思います。  皆さんも、手洗い、うがい、よく食べ、よく寝て感染しないようにお気をつけ下さい。
 僕は今日から最も抗体を持っている落語家として頑張ります!
 健康は素晴らしい!
メキシカンなワシ♬ {CAPTION}

春風亭昇太

直木賞♬

2022年1月19日

コロナ感染して落ち込んでいたら、良いニュースも飛び込んできました。
今年の直木賞に今村翔吾さんの「塞王の楯」が選ばれた!
今村さんとは昨年、塞王の楯の事で週間プレNEWSで対談をした先生です。石垣職人集団「穴太衆」と鉄砲作り集団「国友衆」の戦いをマニアックなお城から、有名な城までザクザク登場させてくれる城好きにはたまらない歴史小説で、スピーディーな展開で一気に読めた本でした。
今村さんもとても魅力的な人でしたよ。
それからもう一人の直木賞が米澤穂信さんの「国牢城」こちらは有岡城を舞台にした小説だそうだ!
どうですか!皆さん。お城がきてますね〜!!
落ち込んでいる時に良いニュースをいただきました。 今村さんおめでとうございます♬
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春風亭昇太

コロナ陽性

2022年1月19日

お騒がせしております。新型コロナウィルスに感染してしまいました。
18日に喉の調子が悪くなったのですが、今の時期はお正月から高座数のが多さで、毎年のように使い過ぎでノドを痛めるものですから今回もそうだろうと思い、まずは自宅で抗原検査キットを使って調べました。すると陰性が出たので、安心して病院に行ったのですが、念のために検査していただくとPCR検査の結果陽性が判明しました。
今のところ喉の違和感だけで熱も無く、味覚も食欲もありますが、医療機関の指示の下で自宅療養に専念したいと思います。
そして、いろいろな仕事先にご迷惑をおかけしております。  申し訳ない気持ちで一杯で、仕事先には分かる範囲でご報告とお詫びのメールをしていますが、その度に逆に温かい励ましの返信をいただいて感謝しかありません。
ありがとうございます。
皆さまもどうぞお気をつけ下さい。
春風亭昇太

DCUは明日からです♫

2022年1月15日

 今ドラマの収録をしている最中です。  出演ドラマはTBSの日曜劇場「DCU」です。  海上保安庁の水中特殊捜査隊「DCU」の奮闘を描く今回のドラマは水中撮影なども多くて凄く大変なんですが、僕は海上保安庁のNo.2のエリートなんで椅子に座って楽してますよ♫
 放送は明日1月16日夜9時からです。
 写真は同じシーンが多いDCU副隊長の西野斗真役の高橋光臣くん 爽やかでカッコイイよ!  落語界では爽やかで、若い頃はそこそこカッコイイとも言われた記憶もあるボクですが、全然違います!  そのあたりも是非ご覧ください
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春風亭昇太

研究と気魄

2022年1月15日

 先日、落語や演劇が大好きなお友達と食事に行った。  お蕎麦屋さんでツマミ食べながらお酒を飲んでいる時に「昔、昇太さんに落語に必要なモノは何か?という質問をしたら、研究と気魄!と答えた…」って話になって、確かにそう言ったの覚えているし、それが必要だと思っているんだけど、じゃあ最近の自分はどうだろう…? と考えたら自分で言っていた「研究と気魄」が足らない。
 他の仕事も忙しいし、コロナ禍で高座数が減ってるのを言い訳にして、落語の研究が足らないし、気持ちも衰えているなぁ〜と反省してます。
 もう少しシャンとした春風亭昇太を聞いてもらえるように、頑張りますよ。
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春風亭昇太

映画「氷の花火」

2022年1月13日

ドキュメンタリー映画が大好きなボクですが、少し前にあるドキュメンタリー映画の制作のお手伝いをしました。
それが、世界的に活躍した伝説の日本人モデル「山口小夜子」さんの「氷の花火」なんですが、この映画が再び上映される事になりました♫ 代官山に昨年オープンした「シアターギルド」での上映です。
シアターギルドさんは独自開発のヘッドフォンで鑑賞する映画館です。
映画はとても良い内容なんですが、エンドロールに映画の内容には何の関係もないボクの名前が流れます!乞うご期待!
上映は、下記の予定
theaterguild.co/movie/detail/frozenfireworks/

春風亭昇太

今年も七草粥〜♫

2022年1月8日

さあ1月7日です。 お正月から連日、池袋演芸場と末広亭の掛け持ちしながら仕事しています。  そろそろ疲れが出る頃にお粥は有り難いですよね。
 今年も岐阜県可児市さんから七草粥セットを送っていただきましたよ。
 セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。
 これで一年無病息災で過ごせそうです♫ {CAPTION}

春風亭昇太

2022年1月6日

 本日東京は雪がパラついてます。静岡生まれで、小学校5年生の頃まで雪を見たことが無かったボクは雪なんか積もったら何も出来ません!  雪の多い場所にお住まいの皆さんは大変ですね。  このまま降ったら明日は道路が凍ったりして大変だな〜。皆さんもお気を付け下さいませ!
干柿はイイ感じになってきましたよ♫
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春風亭昇太

初席〜

2022年1月4日

皆さま。明けましておめでとうございます。 新しい年になりました。2年間ほどコロナで大変でしたが、今年は良い歳になると良いですね。
 僕はお正月から池袋演芸場と新宿末広亭の掛け持ちで毎日高座を務めています。  高座時間は短いですけど楽しくやっていますよ〜  今年も宜しくお願い致します♫
写メは池袋演芸場の太鼓部屋です〜
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春風亭昇太

明けましておめでとうございます

2022年1月1日

皆さま、明けましておめでとうございます。
新しい年になりました。東京は晴天!良いお正月になりました。
 で、昨日料理をしていて里芋を冷蔵庫の野菜室から出したら…こんな子がいました♫ {CAPTION}

面長のミッキーのような、ムーミンのスニフのような〜 里芋にも人を笑わせる能力があるんだから、僕も頑張ろうと思いましたよ〜
この後この子は無事に僕のお腹におさまりましたとさ。
今年もよろしくお願いします。
春風亭昇太

六角精児バンド

2021年12月30日

 昨夜、下北沢で六角精児バンドのLiveがあってゲストで出てきました。  六角くんとは芝居「ザ・フルーツ」で時代に乗り遅れたグループサウンズのバインのメンバー役として一緒に舞台に立って以来、飲んだりバンドやったりして、良いお仲間になってます。  で今回は六角精児バンドのお手伝いです。  六角精児バンドとして何枚もCDを出して音楽活動している六角くんですが、最近僕が歌詞、六角くんが作曲して何がやろうと言う事になりまして、今回も「アルコール賛歌」「西日」の2曲を昇六コンビで作ってライブでも発表しました。  なかなか良かったですよ〜♫
 いやあ音楽は楽しいね。今回は小さなLライブハウスで客席数も制限しての開催だったのでお知らせもしなかったですけど、機会があったらまたやりますので、是非聞きに来て下さいませ〜
さあ今年もあと1日。いろいろお世話になりました。 ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
良いお年を♫
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春風亭昇太

名古屋で

2021年12月25日

 昨夜は「大名古屋らくご祭」でこの4人の落語会がありました。  SWAでは無いのですが昼は古典、夜は新作と、このメンバーならではの公演が出来ましたよう。  相変わらず白鳥くんがいるとマクラのネタには困らず白鳥トークでウケました♫
 来年もこんな感じで出来ると良いなあ 喬太郎、わし、彦いち、白鳥さん達でございます。  しかし、この4人ってクリスマスぽく無いなあ〜
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春風亭昇太

干柿〜♬

2021年12月14日

 千葉からシブ柿を送ってもらいました!シブ柿なんて、そのまま食べられません。そうなれば当然「干柿」ですよ〜♬
  干柿の手順はそんなに難しくはありません。まずは皮を剥いて紐に繋ぎます。 {CAPTION}

そのあと熱湯に5秒ほどつけて消毒します。 あとは風通しのと陽当たりの良い所に干すだけです。 {CAPTION}

柿を干した途端、東京なのに田舎っぽい風景になったなぁ〜
来年には食べられるようになりますよ。楽しみ〜
春風亭昇太

円丈師匠のこと その3

2021年12月12日

 話しが逸れてしまったが、とにかく僕は大学を中退して春風亭柳昇の弟子になった。 当時前座が少なくて休みも無く一年中働いていていたし、もちろん前座がよその協会の真打の落語会に遊びに行くなんて事は出来なかったので、円丈師匠との一方的な接点は消えるのだが、前座も終わりかけの頃に実験落語会の前座でジャンジャンに呼ばれた。  もう嬉しさ爆破だ!タイトルは忘れたが、ボクシング人気を上げるために関係者が話し合うという創作落語をやって、そこそこウケたが、その事よりも終わってから円丈師匠から「ボクシング好きなの?」って声をかけてもらって嬉しかった。それだけで嬉しかった。  その後も新作落語の落語会に呼ばれるようになり、円丈師匠の落語に触れる度に、その落語の舞台設定の多彩さと、作品量に圧倒される事になるのだが、そういった会に「呼ぶ」という事が円丈師匠の創作落語活動の基軸の一つでもあったのだと思う。創作落語家を一人でも多く育てる。という事を円丈師匠は一貫してやり続けた方だった。  当時の落語界の中で創作落語は亜流扱いで、落語は「古典落語」の事を指していて、新しい落語を書いている人達は「しっかりした古典落語が出来ない人」という扱いだった。しかし三遊亭圓生師匠の元で古典落語を学び、古典落語家として将来を嘱望されていた円丈師匠は、新作は古典が出来ない人達が演るものというイメージを簡単に1人で乗り越へ、さらに当時の創作落語の状況を打開する為に自らの創作活動に加えて、それに携わる落語家の数を増やす…ということが大事だと考えてたんだと思う。  その為には三遊亭とか、柳家とか、落語協会とか芸術協会とか関係なく、創作の同志となりそうな人に声をかけ、多くの落語家を創作活動の道へといざない、創作落語家の人数を増やそうとしていてたまたま僕もその中の1人ということ。
 道なき道を行く円丈師匠は、その道を別の人にも歩かせる事で、獣道を作り、その獣道をさらに歩かせる事で、人が歩ける道へと変化させようとしていたのだ。  旺盛な創作意欲と長期的な戦略を持って落語の新しい可能性を切り開いた円丈師の業績は落語史に残るものである。現在の僕達はその円丈師匠の作った道を歩いている。創作落語の象徴的存在であった円丈師匠を失った僕らに出来る事はその道の先を創作落語という新しい靴を履き、胸を張って堂々と歩続けていくことなんだと思う。
円丈師匠 ありがとうございました。
春風亭昇太

円丈師匠のこと その2

2021年12月11日

 初めて観た時の衝撃から円丈師匠の高座をよく聞きに行った…こんな事書くと必ず、じゃなぜ円丈の弟子になってないんだ!なんて人がいる。  弟子になるなんてそんな単純なものじゃ無い。人生を左右する弟子入りはもうちょっと複雑なのである。
 細かいところは省きますが、落語は奥深いって事を教えてくれた円丈師匠の高座を観てから、様々な落語家さん達を観に行くようになって、春風亭柳昇を知る事となる。  僕の師匠も衝撃だった!それは「語り」である。落語独特の落語口調というものが曖昧な定義ではあるが存在していて、古典落語を三遊亭圓生師匠の元で学んでいた円丈師匠にも当然それはあるのだが、柳昇はごくごく普通人の語りだったのだ。一部の人には柳昇の語りを「素人口調」なんて言って揶揄されたが、噺家っぽく喋ればプロだなんて、それこそ素人の言う事である。  しかも面白い事を言ってないのに面白い。という芸界では「フラ」と呼ばれる独特の面白味があり円丈師匠とは別の魅力があった。  円丈師匠に作品の設定の自由を。柳昇には語り自由を教えていただいたのだと思っている。  そして静岡生まれで、江戸の世界や東京の粋なんて分からないボクにはこっちだ!って思い、春風亭柳昇一門に入る事になる。(柳昇を選んだ!って言っても入れるものでも無い。あくまでも入門は取ってくれる師匠次第である)  そしてその選択は絶対に間違っていないなかったと確信している。
 事実、後に円丈師匠は「昇太くん、噺家になるとき、円丈の弟子になろうか一瞬だけ迷ったことがあったみたいだけど、これは柳昇師匠で正解だった…」と言ってくれている(円丈著、ろんだんえん より)  でも、円丈師匠に入門していたら、どんな春風亭昇太になっていたかには興味はあります。  …入門してたら春風亭じゃないか。
 …つづく…
入門したばかりの僕と師匠。
春風亭昇太

三遊亭円丈師匠のこと

2021年12月10日

 三遊亭円丈師匠がお亡くなりになった。  このブログには楽しい事しか書かないと決めていたんだけど、どうしても書いておきたいので、円丈師匠の事を書きます。
 僕が円丈師匠を知ったのは、東海大学の落語研究部に入って落研の仲間に「東京乾電池」の公演に誘われた時だ。落研なのに落語に限らず面白そうなモノは見に行く…当時の東海大学の落研には、そんな空気が流れていた。  当時渋谷公園坂にあった「ジャンジャン」という小ホールは熱気溢れる文化の発信地で、演劇、ミュージシャン、落語、様々な団体や個人がここでそれぞれの表現をしていて、その一つが当時まだ高田純次さんもいた「東京乾電池」だった。  近距離で柄本明さん、ベンガルさん、綾田俊樹さん達の息遣いもダイレクトで伝わる贅沢な舞台を楽しんで、終演後、公演パンフレットに来月の公演ラインナップで見たのが「実験落語会」
「実験落語会」なんて魅力的なタイトルだろう。今でこそ不思議なタイトルの多い落語会だが、この頃こんなタイトルを出す落語会なんて無かったので、とても印象的だった。  そして、翌月に行った「実験落語会」は凄かった。それまで聴いていた落語とは別物で設定、登場人物、全てが自由で、痛快だった。…そう「痛快」って言葉が一番合ってたと思う。  しかも当時の三遊亭円丈師匠はその落語会で2席も新作落語を演じていて、もの凄い迫力だった。
 それまでの僕にとっての古典落語は遠い江戸の世界で、新作落語で描いている世界は昭和40年代くらいのイメージで、どちらも今生きている僕の世界とは少し離れた存在だったのだが、円丈師匠の落語はそうではなく、まさに今生きている時代の落語で衝撃だった。
 それ以来「東京乾電池」と「実験落語会」を中心に様々なライブを観るためにジャンジャンに何度通ったものか…
  …つづく…
 ジャンジャンの看板。
今思えば、渋谷の一等地にキャパ200程の、どちらかと言えばアングラな劇場があった事が信じられないくらいだ。
春風亭昇太